ムン・ジェイン政権がどんなに糾弾されても最低賃金を引き上げる「所得主導成長」をやめられない理由はこれ

雇用ショック、最低賃金引き上げと関連あるかのないのか……「主な原因」vs「大きな関連はない」 (世界日報・朝鮮語)
「チャン・ハソン(青瓦台政策)室長が居住するソウル松坡区アパート見てください。最低賃金引き上げに警備員削減の風吹く」(キム・ソンテ自由韓国党院内代表)
「雇用ショックと最低賃金引き上げは大きな関連がない」(シム・サンジョン正義党議員)

統計庁が発表した7月の雇用統計が大幅に悪化したことが示され、雇用ショックと最低賃金引き上げとの関連性についての政界内外での攻防が熱い。(中略)

韓国党は21日、所得主導の成長を「失敗した政策」と規定した。雇用ショックの原因と最低賃金の引き上げなどの所得主導の成長政策にあるという趣旨だ。

国会企画財政委員会の自由韓国党幹事のユン・ヨウンソク議員はこの日、企画財政上の全体会議で「最近7月の雇用動向が発表されたが、雇用状況が惨事に近いほどひどい」とし「青瓦台経済ラインと経済担当省庁を対象に、9月の定期国会で所得主導成長についての聴聞会をしなければならない」と主張した。いわゆる雇用聴聞会を予告したものだ。 (中略)

共に民主党党代表選候補者も7月雇用ショックの原因を最低賃金よりも産業別競争力の問題と見ている。 イ・へチャン一共に民主党党代表候補も先立ってこの前の19日記者懇談会で「李明博・朴槿惠政権時に成長潜在力が弱くなって雇用ショックのような結果が出た」「雇用だけではなく社会を総合的に見て解決しなければならない」と語った。 彼は「経済が好転すれば2021年まで(最低賃金1万ウォンが)可能であると思う」と最低賃金引上に対する肯定的な立場を固守した。

キム・ジンヒョウ候補もこの日、記者懇談会で「統計当局や担当部処で分析したが(雇用ショックは)最低賃金と勤労時間短縮により引き起こされたものではなかった」「ムン・ジェイン大統領を攻撃するための言論」と言った。 引き続き彼は「ただし最低賃金引き上げと勤労時間短縮の副作用があるのは事実」と言いながら「補完策は長官が決めなければならないが陣容を取り揃えるのに4ヶ月がかかってみたら副作用が思ったより大きかった」と言った。

青瓦台でも雇用ショックと最低賃金についての意見が分かれている。統計庁の7月の雇用動向が発表される前日の16日午前、大統領府の会議でユン・ジョンウォン経済首席秘書官は「(雇用指標について)最低賃金のためではないと言える余地がない」と最低賃金と雇用ショックの関連性を示した。一方、チャン・ハソン政策室長は、「すべてが最低賃金のためだとするが、他の理由ではなく最低賃金のためという具体的な根拠がない」と反論した。

雇用ショックへの対策を協議するために開かれた20日党・政・青緊急会議でもこのような立場の差は続いた。

キム・ドンヨン経済副首相兼企画財政部長官はこの日の発言で「これまで推進してきた経済政策におけるこれまでの効果をチェックし、必要な場合には関係省庁・党と協議し、改善または変更する案も必要であれば検討する」とし、最低賃金引き上げなど所得主導成長政策の修正の可能性をのぞかせたがチャン室長は「政策が効果を出し始めた場合、私たちの経済は活力を帯び、雇用状況も改善するだろう」とし「政府を信じて待ってくれ」と言った。

ムン・ジェイン大統領は(中略)「雇用状況が良くなる分野と年齢がある一方、雇用状況が悪化し続けている分野と年齢がある」とし「人口と産業構造の調整、自動化とオンラインショッ ピングのようなすぐ解決するのは難しい構造の要因がある」との雇用ショックを分析した。
(引用ここまで)

 与党、政府の中でも見解が分かれているのが面白いですね。
 大統領府の中でも協力に「所得主導成長政策」を推し進めてきたのがチャン・ハソン大統領府政策室長。
 もともと高麗大学で経営学の教授だったそうですが、以前から「トリクルダウンではなく、噴水効果(下層の給料を上げていく)を重視すべきだ」というような話をしていたとのこと。
 ムン・ジェインが政権を握ることで、その主張・理論を実践する機会を得ることができたというわけです。
 ですから、先日も「この政策を続けていけば必ず雇用は改善される。政府を信じて待ってほしい」と
コメントしていたわけです。
 まだ政策をはじめたばかりで浸透していないだけ。政策は正しいのだから、遍く広まれば雇用も拡がり、経済は再興し、財閥頼り一辺倒だった韓国経済は民衆のものになる……ってなところでしょうか。
 自分の間違いを認めると死ぬのでしょうね、きっと。
 ちなみにこのチャン・ハソン政策室長、大統領府の中でももっとも財を為している人物で、9億円以上の資産を持ってます。……なにこいつ。

 その一方で経済担当大臣に相当するキム・ドンヨン経済担当副首相兼企画財政部長官は企画財政部(の前身部署)で長年働いていた官僚だけあって、「このままだとまずいことになる」という感触があるのでしょう。
 何度か所得主導性長に対して疑義を表明しています。
 ただ、そのたびに糾弾される始末
 ちなみにキム・ドンヨンはイ・ミョンバク政権時代には企画財政部の第2次官でした。
 つまり、先日のイ・ミョンバク政権時代の経済政策のせいで現在の潜在成長率が落ちているのだという話は、迂回的にその時代の経済官僚であったキム・ドンヨンを責めているということでもあるのですよ。

 何度か楽韓Webでは「これは政策の問題ではなく、思想の問題なのだ」という話をしています。
 政策の問題であれば、比較的傷が浅いうちに「じゃあ、ここを正してみよう」くらいのことをできるのですよ。
 だけども、思想の問題であるからこそややこしい。「思想は正しいのだから、間違っているのは他の部分だ」となってしまい、より過激にその思想を押しつける結果となる。
 けっきょく、任期中は「所得主導成長」が継続されることになるのでしょうね。どんな結果が出るのか、楽しみですね。
 もしかしたら世界は新しい経済理論が成功した例を目にすることになるかもしれませんしねー(棒読み)。


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