韓国の政策金利上昇で「利子爆弾」が家計を直撃、可処分所得下落……そして不動産爆弾の行方は?

韓銀の利上げ確実視、「利子爆弾」が家計直撃(朝鮮日報)
 韓国の1世帯当たり債務が7000万ウォン(約719万円)を超える中、韓国銀行が30日に政策金利を引き上げる可能性が高く、家庭が本格的に金利上昇リスクにさらされる見通しだ。家計所得が変わらないまま、元利返済負担が増大すれば、消費低迷、投資の冷え込みにつながり、内需をさらに落ち込ませかねない。

 韓国銀行と韓国統計庁によると、今年7-9月期の1世帯当たり平均債務は7270万ウォンで昨年末(6962万ウォン)に比べ308万ウォン(4.4%)増えた。家計債務総額1419兆1000億ウォンを世帯数(1952万世帯)で割った数値だ。前年同期に比べると8.1%増えた計算で、平均債務が7000万ウォンを超えたのは初めてだ。

 一方、7-9月期の月間平均家計所得は453万7000ウォンで、前年同期に比べ2.1%の伸びにとどまった。所得の伸びが家計債務の伸びに追い付かず、債務返済負担のせいで消費を増やせないことが韓国経済の足かせとなっている。

 さらに、韓国銀行が30日に政策金利を現在の年1.25%から1.50%に0.25ポイント引き上げる可能性が高まり、家計は「利子爆弾」の直撃を受けそうだ。 (中略)

 仮に政策金利が0.25ポイント上昇し、銀行の貸出金利が同じ幅だけ上昇すれば、1世帯当たりの利子負担額は年間で18万1750ウォン増える計算だ。年間に換算すると、家計の利子負担は合計で2兆3000億ウォン増えると推定される。
(引用ここまで)

 現在の韓国の政策金利は1.25%と史上最低。
 そこであるていど余裕がある人間もそうでない人間も総じて不動産投機に走ったのです。
 借金して不動産購入、その不動産を担保にして借金、その借金で不動産購入、その不動産を……という無限ループを繰り返している投機筋もいるそうで。
 なにしろ、分譲後半年に江南のマンションを売り払えば、それだけで利益は1000万円。実際に必要な資金は頭金と半年分の分割払いの代金だけ。
 次に買った持ち主も同じように値上がりを待って売り払う。その次も……とこちらも無限ループ。

 最近になって、ムン・ジェイン政権が「不動産ローンは1世帯にひとつまで」という規制を敷いて、どうにか沈静化しつつあるのですが。
 沈静化しつつあるというか、一気に不動産需要が冷えこんでやばい状況にまで落ちこんでいます。
 このタイプの不動産バブルは最後に誰がジョーカーを引くのかを競い合うババ抜き状態。
 問題はジョーカーの数が多すぎる、韓国人の資産の9割が不動産であるってことですかね。

 パク・クネによって不動産投資規制が緩和されたこともあって、不動産投機は「積弊」であると認定されています。
 ムン・ジェインの政治的指向性が極左であることも相まって、不動産に対する規制は激しくなっていくことでしょう。
 閣僚に登用しない「5大不正」のひとつに不動産投機が挙げられていたのもその余波。おそらく誰ひとりとして守れちゃいないのですが。

 アメリカFRBによる政策金利は年内にもう1回。韓国もそれに追随して0.25%上げることでしょう。それでもまだ1.5%は韓国史上稀に見る低金利。不動産爆弾もその次の利上げくらいまでであれば耐えられるんじゃないですかね。
 利払いで可処分所得が下落することは間違いないでしょうが。

 ただまあ、アメリカ国債の逆イールドが近づいていることもあって、このまま利上げのペースが続くのかというとそれも微妙。
 先行きが見えにくい時代ですわ。

金利「超」入門 あなたの毎日の生活を守るために知っておくべきこと
美和卓
日本経済新聞出版社
2017/8/23

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